日本写真学会では、次世代に伝えるべき記録と価値ある写真画像、またその他の画像記録物の確実な保存を目指ざし、そのための技術の共有と知識の普及を目的に、1984年から画像保存セミナーを毎年開催して、今回で40回目を迎えます。これは、ひとえに学会員のみならず画像に携わる各方面の皆様にご参加いただいてきた賜物であり、画像保存セミナー実行委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
今回の画像保存セミナーでは、画像保存技術や「もの」の継承の重要性についての理解と関心を深めていただくため、6名の講師の方々をお招きし、画像の保存と活用に関する著作権、HAMR 記録方式、光ディスクへの長期保存の運用方法を規定するJIS X 6257の改正、被災写真作品の救出と保存、資料から見えてくる日本初のカラー写真法、災害写真の分析方法を解説いただきます。このような多岐にわたる内容が、ご参加の皆様にとって参考あるいは有益な情報となることを願っております。画像保存に関心のある方、関連分野の多くの方々のご参加を賜りたく、案内申し上げます。今年はセミナー終了後、講演者と参加者が自由に情報や意見の交換をしていただける懇親会も予定しております。
尚、新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」に移行し、現在、会場開催の予定で準備を進めておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症拡大の状況次第では、やむなくオンライン開催に変更する場合があります。その際には、日本写真学会HP上で案内申し上げます。:.
【日 時】2023年12月1日(金)9時50分 ~ 17時50分 <9:30受付開始>
【場 所】東京都写真美術館ホール
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
【主 催】一般社団法人 日本写真学会
【協 賛】日本写真芸術学会/公益財団法人日本博物館協会/公益社団法人日本写真家協会/文化遺産国際協力コンソーシアム/日本アーカイブス学会/情報保存研究会/一般社団法人日本オプトメカトロニクス協会/一般社団法人画像電子学会/一般社団法人日本印刷学会/一般社団法人日本画像学会/アート・ドキュメンテーション学会
【協 力】東京都写真美術館
【後 援】一般社団法人文化財保存修復学会
プログラム
9:50 - 10:00 開会挨拶
10:00 - 11:00 講演1 画像の保存と活用に関する著作権・肖像権等の留意点
[五常総合法律事務所 数藤 雅彦]
画像のデジタル化による保存と活用の際には、著作権や肖像権等の権利処理が必要となる場合がある。本講演では、著作権や肖像権等の法律に関する基本的な考え方と、近年の法改正の動向、実務上の留意点について解説する。
11:05 - 11:55 講演2 デジタルアーカイブと親和性の高いハードディスクHAMR記録方式
[日本シーゲイト株式会社 岩田 太郎 ]
超高解像度の画像や映像、その加工技術の発達によってデータ量が増大するデジタルデータ時代。HDD 専業メーカーが新たに開発した記録方式により、デバイス当たりの容量を飛躍的に増加させた“撮った全てを保存する” 為のテクノロジーを紹介する。
ー 休憩(75分)ー
13:10 - 14:10 講演3 JIS X 6257改正:アーカイブ用光ディスク用いた「コールドストレージシステム」構築に向けて
[ 大阪産業大学・光産業技術振興協会 入江 満 ]
IoT/AIによるデータ駆動社会では爆発的に増大するデジタルデータの保存・管理として「階層型ストレージシステム」構築が急務である。このため光ディスクを用いた「コールドストレージシステム」構築の指針としてJIS X 6257を改正し、国際標準化を図った内容について報告する。
14:15 - 15:15 講演4 令和元年東日本台風によるコレクション被災 ー川崎市市民ミュージアムでの写真レスキューについてー
[ 川崎市市民ミュージアム(アクティオ株式会社) 中野 可南子 ]
1988年に開館した川崎市市民ミュージアムは国内有数の写真コレクションを所蔵している。しかし令和元年東日本台風における収蔵庫浸水により、写真コレクションは甚大な被害を受けた。本発表ではレスキューの経過、応急処置と本修復、今後の課題等について報告する。
ー 休憩(20分)ー
15:35 - 16:35 講演5 昭和15年(1940年)に小西六(現、コニカミノルタ)が発表した六櫻社式天然色印画法とそのネガフィルムの改良
[ 東京工芸大学 矢島 仁 ]
昭和15年に小西六が発表した六櫻社式天然色印画は白黒フィルム3枚重ねでの撮影であった。この講演では、そのネガフィルムの改良の過程と最終的な成果物を紹介し、多層式カラーフィルムとは異なる方式でのカラー写真開発が行われていた歴史を知ってもらいたい。
16:40 - 17:40 講演6 災害写真の分析方法 ―横浜の関東大震災を事例として―
[ 横浜都市発展記念館 吉田 律人]
100年前の関東大震災を捉えた写真は今日も様々な形で残っているが、研究者を含め、それを無批判に使用しているケースも少なくない。重要なのは、①いつ、②どこで、③誰が、④何のために撮影したのか、である。横浜の写真を事例にその分析方法を考える。
17:40 - 17:50 閉会挨拶
*各講演時間には質疑・応答の時間を含みます。なお、主催者以外の写真・ビデオの撮影、録音は講演者および他の参加者の迷惑となるだけでなく、著作権の問題を含みますので禁止させていただきます。
【セミナー参加費(講演要旨集代を含む)】
日本写真学会および協賛・協力・後援学協会々員・・・・6,000円
非会員・・・・8,000円
学生・・・・2,000円
※非会員の方:参加申込前に入会手続きを取って頂ければ,会員価格での参加が可能となります。
入会申込はこちらから
※日本写真学会の賛助会員所属で非個人会員の方の取り扱いに関しては、賛助会費の口数に応じた人数枠に対して申し込み順に会員扱いとなります。枠を超えた分は非会員扱いとなります。会員枠が残っているかどうかにつきましては、ご面倒でも事務局にお問い合わせ下さい。
【定員】180名
【申込締切】 2023年11月24日(金)→ 11月30日(木)に延長しました
※定員になり次第締切りますのでお早めにお申し込み下さい。定員に満たない場合は申込の受付延長を行います。
【懇親会】講演者と参加者の自由な討論の場、および参加者相互の情報交換や交流を深める場として、 セミナー終了後に懇親会を開きます。参加ご希望の方はセミナー参加と合わせてお申し込みください。
日時:当日 セミナー終了後 18 時〜
場所:ガーデンプレイスタワー3階 YEBISU GARDEN CAFE
会費:4,000 円
【申込方法】
◻︎下のボタンから申込フォーム(Google Forms)を開き、必要事項を記入して送信してください。送信するとお支払いサイトのURLが表示されますので、そのサイトに接続して該当する参加区分を選んで参加費をお支払いください。参加費をお支払いいただいた時点で参加申込完了となります。
◻︎懇親会参加希望の方は、申込フォームの当該項目で「参加する」とご回答の上、参加費お支払サイトで懇親会参加費を含むボタンを選択して参加費をお支払いください。
◻︎セミナー参加申込時に懇親会不参加とされた方で、懇親会に参加希望の方は、11月27日(月)までに info@spij.jp に連絡をお願いします。
※お支払方法は、クレジットカード、ApplePayまたはGooglePayが利用できます。
※一旦振り込まれた参加費の返却は致しかねますので、ご都合が悪くなった場合には代理の方の参加等でご対処をお願い申し上げます。
【連絡先】 (一社)日本写真学会事務局 画像保存セミナー係
〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5 東京工芸大学内
E-mail: info@spij.jp Tel: 03-3373-0724 Fax: 03-3299-5887