第19回日本写真学会光機能性材料Onlineセミナー

カーボンニュートラル 光触媒による水素発生とCO2還元の現状と展望

社会の持続的な発展を目指したカーボンニュートラルにおいて、その大きな一翼を担う光触媒が注目を集めています。酸化チタン光触媒による水の光分解「本田・藤嶋効果」の発見から、現在まで非常に多くの研究がなされております。そこで、第19回セミナーでは、「カーボンニュートラル 光触媒による水素発生とCO2還元の現状と展望」と題して、光触媒を活用した水素発生とCO2還元の開発に関して、基礎から応用展開までを俯瞰的に理解することを目的とした国内第一線の先生方によるオンラインセミナーを企画しました。光触媒、環境エネルギー問題に関連する研究者の良い情報交換の場として貢献いたしたく、多数の方々のご参加をお願いいたします。


【日 時】2023年12月12日() 10時30分~17時10分 

【会 場】オンライン開催

【主 催】(一社)日本写真学会 光機能性材料研究会

【協 賛】日本化学会、応用物理学会、高分子学会、光化学協会、電気化学会、日本表面科学会、有機合成化学協会、日本光学会、照明学会、日本色彩学会、電気学会、色材協会、電子情報通信学会、映像情報メデイア学会、画像電子学会、日本画像学会、日本印刷学会(予定)

【参 加 費】  日本写真学会会員(正会員・シニア会員・賛助会員)および協賛学協会会員:4,000円、非会員:6,000円

日本写真学会学生会員:1,000円、学生非会員:2,000円

※賛助会員会社に所属するの方の参加費は会員参加費と同一です.

※入会をお考えの方は、参加申込前に入会手続きを取って頂ければ,会員価格での参加が可能となります。

入会申込はこちらから

【申込締切】2023年125日() 

【申込方法

下のボタンから申込フォーム(Google Forms)を開き、必要事項を記入して送信してください。送信するとお支払いサイトのURLが表示されますので、そのサイトに接続して該当する参加区分を選んで参加費をお支払いください。参加費をお支払いいただいた時点で参加申込完了となります。

※お支払方法は、クレジットカード、ApplePayまたはGooglePayが利用できます。

 申込フォームを開く 

※請求書による銀行振込をご希望の方は申込フォームに記入・送信した上で、info@spij.jp にご連絡ください。請求書宛名等に指定がある場合は合わせてお知らせください。 


【連絡先】  日本写真学会事務局 光機能性材料セミナー係

〒164-8678 東京都中野区本町2-9-5 東京工芸大学内

E-mail:info@spij.jp  Tel:03-3373-0724        

【セミナープログラム】

10:30   開会あいさつ(セミナー実行委員)

10:30-12:00 基調講演 人工光合成の実現を目指した光触媒材料の開発[ 東京理科大学:工藤 昭彦

カーボンニュートラル社会の構築、さらには資源・エネルギー・環境問題を根本的に解決する科学技術として、粉末光触媒を用いた人工光合成が注目されている。ここで、経済的な水からのグリーン水素製造技術が確立されれば、それらの社会的問題は解決すると言っても過言ではない。また、その先の科学技術として、水を電子源・水素源とした二酸化炭素の資源化も重要である。本講演では、粉末光触媒を用いたグリーン水素製造や二酸化炭素の資源化について、これまでの研究の歴史から最近のトピックスまでを紹介する。

12:00-13:00(昼休み)

13:00-14:00 講演1 光触媒による水の全光分解―固体物理および写真科学による分析と施策[ 日本写真学会:谷 忠昭

光触媒は写真材料の研究から誕生した「本多・藤嶋効果」に由来し、現在、カーボンニュートラルの観点で注目されている。本講演では、写真材料が立脚した固体物理と写真科学の観点から光触媒系の電子構造、電子過程、イオン過程と生成物および再結合について分析し、最近の藤嶋氏との討論も踏まえ、実用化に向けての水素への変換効率(STH)向上の施策を考察し解説する。

14:00-15:00 講演2 プラズモンとナノ共振器によるモード強結合を利用した人工光合成[ 北海道大学:三澤 弘明

最近、我々はナノ共振器機能を有する酸化チタン電極上に局在表面プラズモン共鳴(LSPR)を示す金ナノ粒子を担持し、LSPR−ナノ共振器間にモード強結合を形成させ、幅広い波長の可視光により水の分解が可能な人工光合成系を構築した。本講演では、強結合を用いた人工光合成、および強結合による水分解反応の増強には、複数の金ナノ粒子のLSPR間に生じた量子コヒーレント相互作用が重要な役割を果たしていることについて紹介する。

15:00-15:10(休憩

15:10-16:10 講演3 金属錯体を中核とするCO2還元光触媒の開発[ 東京工業大学:石谷 治

我々は、地球温暖化、エネルギー資源及び炭素資源の枯渇の問題を一挙に解決する技術であるCO2を資源化する人工光合成の開発を目指して研究を行っている。本講演では、CO2を高効率で還元する金属錯体光触媒、可視光をエネルギー、水を還元剤としてCO2を資源化する光電気化学システム、および低濃度のCO2を直接還元する光触媒及び電気化学触媒の開発などについて紹介する。

16:10-17:10  講演4 単層カーボンナノチューブの表面修飾を利用した人工光合成系の構築[ 富山大学:高口 豊 ]

我々は、太陽光吸収材料として優れた特性を有する単層カーボンナノチューブ(CNTs)の表面修飾技術を開発し、光照射下における電荷キャリアの生成と水中への可分散化を可能とした。興味深いことに、得られたCNT光触媒は、従来の光触媒ではほとんど活性を示さない波長1000 nmの近赤外光照射下で外部量子収率10%を超える高い水素生成活性を示す。本講演では、こうしたCNT光触媒の現状と今後の研究開発の方向性について紹介する。

17:10  閉会あいさつ(セミナー実行委員)